2013年5月6日月曜日

ニワトリを動物病院に連れて行った話☆2

2012年10月からここ長崎県平戸市の田舎に住んでいます。
田舎暮らしは人生初だったのですが、ご近所の人が普通にお米や野菜、お惣菜をくれる事に感動しています
田舎は本当に良い所です
しかし、当然良くない事もあります。
スーパーやホームセンター、病院が極端に少ない事です。

平戸にはたった1軒だけ動物病院があります。
最初にしずかの具合が悪くなった時、私は真っ先にここに電話をしました。
この時症状を聞かれ、答えると「あぁ、それは解らないですね…怪我なら治療出来るのですが」と言われました。
つまりニワトリは看ていないと言う事で、家畜診療所と他の動物病院を紹介されました。

私達はペットとしてニワトリを飼っているので、家畜と言われると嫌な気持ちになりますが、そんな事は構ってもいられない、とにかく治療して貰わなければと思い家畜診療所に電話しました。
結果、牛しか看ていないと言う事で断られました。

次に紹介された動物病院もニワトリは診ていないと言う事、そして紹介されたのは家畜衛生保健所でした
「保健所!?」と思いつつ電話すると、予想通り「うちは保健所ですので治療は行っていませんが…」との事。

他にも色々紹介され電話してみるものの、結果は全て×。
何故治療してくれないのか、何故治療してくれない病院や施設を紹介するのか、
電話で散々たらい回しにされました。

この時初めて「田舎では本当に大変な時には誰も助けてくれないんだ」と思い知りました。
親戚が居ればまた違うのでしょうが、完全なよそ者であり人との繋がりも狭く、頼れる人が誰も居ないというのはこう言う事と実感したのです。

もしも実家の東京に居たら…歩いて5分圏内にコンビニがあったし、10分以内に23時間営業のスーパーもあったし、病院は内科、外科、泌尿器科、産婦人科、耳鼻科、皮膚科、歯医者、動物病院と何でも揃っていました
しかも複数あったため競争が激しく、電話対応からして丁寧で洗練されていました
どこも駅から近く、近くて便利で…
ただ、もしも東京に居たらニワトリを3羽も飼えなかったでしょうけどね(^^);;

田舎は殿様商売が多いようです(動物病院に限らず)
皆そこに頼るしかないから、黙っててもお客は来ます。

そして許せないのは、私達が初めに行った平戸で唯一の動物病院の存在です。
私が最初に電話で「鳥なんですけど…」と相談すると「良いですよ」と言うので連れて行ったのに「鳥ってインコの事かと思った!!ニワトリは診れないよ、誰が連れて来たの!?」と怒鳴り
他のお客が待つ中で私だけ冷たくあしらわれ、薬だけでもと懇願した私を追い出し、何処の病院も紹介してくれず知らんぷりする”ノアズアーク動物病院”。

私は絶対に許しません。

診れないなら診れないで、言い方があるはずです。
それなりの態度があるはずです。
犬と猫しか診れないなら”ノア”なんて名前を名乗るべきではありません。
本当に最悪な施設で、動物病院を名乗るべきではないとすら思います。

その帰り道、初めて私と旦那さんは衝突しました…
私はどうしても動物病院に連れて行きたかったのですが、旦那さんは「これは寿命なんだ」と言うのです
元々田舎で自給自足をするために飼い始めたニワトリ、卵を産まなくなったなら本来は捌くべきだと
そもそも自分達の食べ残しだけをあげるはずが、私が茹でた魚やヨーグルト、豆腐などを与えて「贅沢」させているのも気にかかっていたようです

私も初めはそのつもりでした、でも、飼い始めたら絶対可愛くなって無理だろうなって思ってました
そして今現実に、今にも死にそうな我が家のニワトリ”しずか”を目の前にして…
やっぱり諦めきれないのです…と言うより、「後悔したくない」と思ったのです

まだしずかは生きている、息をしている、動いている、出来る事があるかも知れない
そんな状態で見捨てて放置するなんてあまりにも残酷だと思ったのです
彼女は家畜ではなく立派な家族なんです
まるで我が子の様だとすら、この頃には思い始めていました

飼い始めた目的からしても、この考えは間違っているでしょう

公民館のような所で外に設置されたベンチに座り、恐らく2時間くらいは旦那さんと議論したんじゃないでしょうか…
旦那さんの意見が正しいと言う事は解っているんです。卵から育てたわけでもなし、1年すら一緒に居なかった廃鶏です。
でも、もう家族なんです。
私の感情の問題なので、理論的な旦那さんはかなり戸惑ったと思います。

でも、最終的に許してくれました(泣)
私のワガママを聞いてくれる事になったのです!!
そこでやっと、次の動物病院探しが始まりました。

そんな最悪の経験をした後ですが、とにかく病院を探すため、自分でネットで調べて片っ端から動物病院に電話しました
そして見つかったのが佐世保にある”ヤマナカ動物病院”さんです
知り合いの車屋さんから車を借りて、佐世保まで旦那さんに運転して貰いました

先生はとても親身で、色々診察された後にお薬を調合してくれました。
それを飲ませると少し元気になり、少し調子が良くなりましたが…やはり元には戻らない…
そこで近所の酒屋さん夫婦に聞いて、もう一件”馬場動物病院”さんと言う所を紹介して貰いました!!
ここも同じく佐世保にあるのですが、ヤマナカ動物病院さんよりも道が簡単で近いので旦那さんも行きやすいと言う事で…
そこで2回目のしずかの診察をして貰いました!!

先生はとても良い方でした。
ひと通り診察してくれたのですが、やはり言われたのは「寿命だろうねぇ…」でした。
でも、私はそれが知りたかった。
本当に寿命なのか、他に原因があるのか知りたかったのです。

動物病院を2件回って、二人の先生にそう言われたなら納得が出来ます。
馬場先生の所ではお薬は頂きませんでしたが、診療代金をこちらから言わないと忘れるようなお方でした(笑)
「ペットって言うのは自分より早く死ぬ、だから良いんです」と言ってくれました
私は、この時少し覚悟したのです
しずかの寿命があと僅かだという事を、本当に往生際が悪かったですが受け入れ始めたのです

しかし今思うと旦那さんには大変苦労を掛けました;;
よく離婚されなかったものです(汗)

今回の事で分かったのは、田舎にはきちんとした動物病院が無いと言う事、動物病院でニワトリを見てくれる所は非常に少ないと言う事です。

田舎でしかニワトリが飼えないのに矛盾してる!!って思いますが、ニワトリの飼育目的の大多数は食用ですから、仕方が無いと言えば仕方のない事です。

それにしても平戸の動物病院は一生許しませんが(笑)

田舎の厳しさを思い知った一件でした。

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